【神暦 299年】
龍戒の部将 「ソ、ソウリュウ様、お許しを! もう二度とこのようなことは…」
ソウリュウ 「当然だ。 リツキ、二度とその口が開かぬよう始末せよ」
リツキ 「畏まりました、神王様」
龍戒の部将 「そ、そんな…、私には家族が! せめて子供に一目だけでも! ソウリュウ様!」
ソウリュウ 「煩い、まだ分からんか…。 貴様の子孫も不要だ」
リツキ 「では、直ちに処分させます」
ソウリュウ 「それで、あの件はどうなっている」
リツキ 「計画通り、各国で戦の気運が高まっております。 ただ、神王様の意図に気付いておられる方も…」
ソウリュウ 「鬼神シャラだな。
ヤツは愚民の支配に…この世界に飽きた眼をしていた。 ヤツとなら本気で戦える気がする…」
リツキ 「神王様、お伺いしたいことがあります」
ソウリュウ 「なんだ」
リツキ 「以前、神王様は、一国の統治に飽きたとおっしゃいました。 世を戦乱に変え、他の神王と戦い、世界を得る。
その後は、どうなさるおつもりですか?」
ソウリュウ 「どうすると思う?」
リツキ 「神王様は愚民の住む世界を統治したいわけではないでしょう。 であれば…」
ソウリュウ 「月人リツキ、お前の考えている通りだ。 神王や月人にとって、愚民は家畜ではない。 それ以下だ。
統治してやらねば他の動植物を食い散らかす、目障りで醜悪な生き物。
当然、駆除せねばならんだろう。 この世界の為に」
リツキ 「ですが、我々を作ったのは、その愚民達の祖先です」
ソウリュウ 「そうだ。 愚民を支配、統治する為に我等は作られた。
つまり、愚民がいなければその役目も終了し、存在する必要もない」
リツキ 「ではやはり…」
ソウリュウ 「その前に、自らと対等の者達と本気の勝負を楽しもうというわけだ。 さあ、人類最後の祭りを始めよう」
リツキ 「御意。 神王様の望むままに…」
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