【 超粒子望遠鏡 】 (2003年頃製作)

「座標を地球に合わせたぞ」
「よし、もっと拡大してくれ!」

ここは、地球から約七億光年離れた惑星。
つまり僕達は今、七億年前の地球を見ている事になる。

地球では丁度「本能寺の変」をやっているところだ。
あまり地球史に興味のない僕だが、彼にとっては物凄く重大なイベントらしい。

「うわ! すげー、今の光秀か!? 信長は見えないなぁ・・・」

信長っていう有名人が殺されるシーンらしいけど、僕としては恐竜時代の地球の方が好きだ。
勿論それは、この惑星からはもう見る事ができない。

この人間時代は、その地球の美を壊してしまった。
その急激な破壊と進化のお陰で、今の僕達が存在するわけだけど…。

「ああっ! 信長が逃げた!!」
「え゛!? 信長ってここで死ぬんだよね?」
「うん、でも…。 ほら、あそこ! ね、逃げてる……」

「…もしかして、大発見!?」

翌日、その事は一部の地球史マニアの間で話題となった。
そして彼は、僕の超粒子望遠鏡で信長を追跡している…。



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